1.私たちが求めている人材とは?
高橋
今日は介護課ついて、三人の介護課主任さんたちにお話しを伺いたいと思っています。「やさしさ」が伝わるよう楽しく話していきましょう!
初めに、介護課としてどのような人材を求めているかを聞いてみたのですが
野海 そうですね、素直な気持ちでいてくれることが大事だと思います。社会人としていろいろな事を素直に受け入れができる人材が欲しいです。そもそも最初から完璧な人はいないと思います。
鈴木 今何をすべきかを、自分の考えにしがみつかないで、素直に新しい意見を取り入れつつ行動して欲しいですね。それに、こちらが求める思いを素直に受け入れてくれる職員はよく相談をしてくれます。
東 私も同感です。中には早く業務を覚えなければならないと焦る人もいますが、まずは素直な気持ちで人間関係をしっかり築いて欲しいですね。
野海 できれば、垣根のない良い人間関係を築きたいですね。
高橋
なるほど、総和苑の理念「やさしい笑顔で!」になるためにも素直な気持ちでいることは大切かもしれないですね。
では、やさしさについても話し合ってみましょうか?
野海 やさしさとは、相手のことをどこまで考えているか?かな。本当にその人を思いやる気持ちがあるから厳しく叱ることもできるような気がします。
東 ただ、相手の捉え方によって、叱られているだけとか、厳しいとしか感じない時もありますよね
野海 確かにそうです。でもそこにお互いの信頼、良い関係性があれば厳しい中にもやさしさが見えてくると思うのですが。
鈴木 厳しい中にもやさしさが伝わるような環境をつくる必要がありますね。
高橋 良く分かりましたが、あまり新人職員に厳しくしないで下さいね。
東 心配しないでください。
高橋 私個人としては、柔軟性がある人材も欲しいですが…どうですか?
鈴木 発想力豊かな人材、新しくつくりだせる人材も必要だと思います。
東 誰もが失敗はしたくないと思っています。でも失敗してもいいから、自らチャレンジして欲しいです。
野海 失敗することで気づくことや、変わることもあると思います。
高橋 新人職員が自信をもって「変わることは自分の成長」と考えてくれるといいですね!
2.職員の持つ能力の引き出し方
高橋 次に求める人材の能力をどう引き出していくかですが、とても重要なことだと思います。
東 それは、どう成長させていくかと言うことですよね。個々の新人職員の能力や性格などを理解したうえで教育していくしかないですよね。
高橋 そうですね、人はひとりひとり価値観や知識も技術も違うし、だから全員に同じことを伝えても伝わらない、個々に合わせた伝え方教え方が必要ですね。それには新人職員を良く見る事が大事だと思うのですが…。
野海 個々に合わせるとなると、こちらも前もって準備する必要がありますね。教える側の職員も成長していく必要があるという事ですね
東 それと、新人職員もいろいろ覚えることが多くてストレスが溜まるので、相談相手も必要ですよね
鈴木 そのためにも一対一の教育体制が必要だと思います。信頼関係も生まれるし、教える側教わる側が一緒に成長していけると思います。
高橋 正確に伝えるべきところは伝え、言うべきところははっきり言い、褒めるところは褒めるというバランスが大事です。職員の能力を引き出していくためにも「しっかりとその人を見ること」が大事だと思います。
3.介護課として大切にしていること
高橋 次に、介護課として大切にしていることについて聞きたいのですが?
野海 私はチームワークだと考えています。介護の現場は一人では仕事ができません。どんなに頑張っても一人では限界があります。職員同士が協力、連携を図る必要があり、勤務交代一つとってもチームワークが取れないと職員への引き継ぎ等上手くいかないと思います。
東 一人二人だけが優秀でもチームワークが良くなければ持っている力を十分出すことはできないですし、みんながまとまってこそ「一つの大きな力」になると思っています
高橋 「チームワーク」ですか、本当に大事ですね。その中でチームを一つにするには、職員一人ひとりが持つ介護の価値観が違うことも考える必要がありますね。
鈴木 それと、私たちの目指すこところはどこなんだろう?では駄目だと思います。一人ひとりの価値観を尊重しつつ、目指す山がどこかを示してあげないと、せっかくのチームワークがバラバラになってしまうような気がします。
高橋 きっと、その山が「施設理念」なんでしょうね。
東 高橋課長が考えるチームワークを聞いてもいいですか?
高橋 はい。例えば、一枚のキャンパスに絵を描くとします。そこにはいろんな色を使いながら描きあげていきますよね。一色だけで完成させようとしても鮮やかな絵にはなりません。もし一人の介護観に合わせた色だけを使うと一色の絵になります。私たちが描きたい絵・求められている絵(支援の目指すべき方向性)を描くために、職員一人ひとりの経験・能力・介護観といったいくつもの色を使いながら、一人でも多くの人に感動してもらえる絵を完成させていくこと、それが質の高い仕事ができるチームではないでしょうか。24色の色鉛筆をどのように使えばより鮮やかで多くの人が感動できる絵が描けるのか、私たちリーダーが職員一人ひとりの持つ能力を見極め、最大限に力を発揮できる環境を整えていくこと、そして職員たち自身がそれぞれの持つ色(経験・能力・介護観)を大事にしていくこと、それがチームワークであるような気がします。
4.介護福祉士としての専門職
高橋 最後に、介護福祉士としの専門職について意見を聞きたいのですが?
野海 専門職としてですか、とても難しいですね。
鈴木
ご家族様は、できるだけ元気なご利用者様を見ていたいと思っているはずです。
ですから、私たちに何ができるかをご利用者様、ご家族様の目線になって考える必要があると思います。
高橋 そうですね、歩けない人が歩ける、食べられない人が食べられる、寝たきりだった人が起き上れる等「どうすればできるのか」を、環境を整えた上で、専門的な知識、技術を駆使し、諦めないでチャレンジする意識が必要ですね。その意識をどう高めていくかも考えていく必要がありますね。
鈴木 それに、何をしたいかなど表現できないご利用者様もいらっしゃいます。その時は、そのご利用者様の行動を見て、何がしたいのか想像し、いくつもの仮説をたてて、何をしたいかを見出すことも専門職としての役割と思います。
野海 私も、ご利用者様が何をしたいかが分かった時は、嬉しさと同時に良かったとホッとしますね。
高橋 確か、入院先の病院で「もう食べられないでしょう」と言われたご利用者様が、総和苑にきて食べられるようになった事例もありましたよね
野海 ご家族様も最初はビックリされてましたよね。
東 はい。いまだにそのご家族様に会うと感謝されるのです。一番嬉しい瞬間ですね!またこの事例は外部研修でも発表させていただきました。
高橋 でも、成果が出なかった事例もありますよね。ご家族様もやっぱり無理ですねと諦めることもあるし…。
野海 私たちは、成果が表れなくてもご利用者様と話したり、ご家族様と相談したりしてアプローチを変えながら続けて行っています。諦めることはせず、どうにかこうにか工夫してできないかを考えています。
高橋 どんな時でもご利用者様ご家族様と私たち職員と話し合いながら、お互いが納得するまでアプローチしていくことですね。
鈴木 ひとりの知恵に頼るのではなく、チーム力で専門的な引出しを開けて、多様な知恵を出しつつアプローチしていきたいと思っています。
高橋
私たちの考える専門職とは、どんな時でも最後まで諦めないで最善の策を考えると言うことですね。
これからもお互いを尊重しあいながら、魅力ある介護課を築き上げて行きましょう!
本日はありがとうございました。